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予算をたてよう2

予算をたてよう2

 前号は経営計画策定の役割、メリットについて説明しましたが、今号では実際に経営計画書を作成する上でのポイント、留意点について説明します。

経営計画の作成の手順は

  • ①外部環境・内部環境の把握と分析
  • ②将来の進むべき方向(ビジョン)の策定し、実現のための具体的な行動計画を決定
  • ③中期経営計画作成
  • ④短期経営計画(予算)の策定
  • ⑤業績検討会の開催

となります。
④の短期経営計画(予算)の策定は医療法人の場合、定款にもその作成が明記され、収支予算として毎会計年度開始前に理事会及び社員総会の議決を経て定めなければなりません。

短期経営計画(予算)の策定手順

 損益計算書は医業収益から材料費、人件費、経費等を差し引いて利益を求めますが、経営計画書を作成する場合は逆にまず目標利益を定めます。次に人件費、経費等を予測し、そして医業収益に対する材料費率を想定し、そこから医業収益を算定します。

短期経営計画表短期経営計画表

 上図のとおり経営計画書を作成するにあたりまず次期の目標利益をいくらにするのか、またいくら必要なのかを掴まなくてはなりません。ここでよく問題になるのは、利益は出ているがお金がない、いわゆる「勘定あって銭足らず」の現象が起こることです。
これは医療機関の場合、医療機器等の設備資金が多額になり、通常そのほとんどは金融機関からの借入金で賄っています。その借入金の返済はお金は出ていきますが、利益を計算する上では経費にはなりません。
逆に減価償却費は経費にはなりますがお金は出ていきません。その結果、利益=余剰資金とはなりません。仮に借入金の返済が年間1,200万円、減価償却費が400万円とすれば借入金返済のため必要最低利益は800万円(1,200万円-400万円)となります。
また利益が出ると税金が発生し、税率35%とすると税金を支払う前の必要最低利益は800万円÷(1-0.35)≒1,230万円となるわけです。

 その他経費に含まれるものは地代家賃、水道光熱費、支払利息など医業収益の増減に関係なく発生し、病医院を維持していくために必要な費用です。これらは当期の実績を参考に翌期の金額を予測していきます。人件費は昇給率を見積り、計画に反映させます。材料費については金額を入れるのではなく、医業収益に対する率をもとめます。これは他の費用と異なり医業収益の増減に比例して金額が変わるためです。その結果、仮にその他経費1,000万円、人件費1,500万円、材料比率30%とすると(1,230万円+1,000万円+400万円+1,500万円)÷(1-0.3)=5,900万円となり、これが翌期に必要な医業収益になります。

短期経営計画(予算)作成のポイントと留意点

 医療法人では予算の作成は必須事項で作成はするものの、その後、検証がされていないというケースがあります。予算は作ることが目的ではなく、実績と検証し、乖離があれば問題点の発見・対策を検討して、目標を達成するため随時行動計画を見直すことがポイントです。

短期経営計画まとめ短期経営計画まとめ

「検証」は「検診」に似ています。どこか悪いところがあっても早期に発見して対策(治療)すれば健全経営(健康維持)が出来ます。異常値が出ているにもかかわらず放置すると取り返しのつかないことになるかもしれません。検証を行うためには毎月、業績を把握できる月次決算体制が土台となります。前月までの月次試算表は当月末までに作成するような体制づくりが必要です。

 予算という数値目標を達成するためには行動を起こさなければなりません。翌期の目標・重点課題を明確にし、それを文章化して具体的にどういう行動をとるのかを全職員に周知、浸透させなければ、いくら綿密な予算をたててもその目標を達成することは出来ません。経営理念や文章化した行動計画を朝礼やミーティングの際に全員で唱和するというのは有効な方法です。

 TKC会員事務所ではまず、関与先医療機関の月次決算体制の構築を行い、その上で経営計画作成支援システム「継続MASシステム」を使って、経営計画書策定のサポートを致します。
具体的には次の5つの質問を答えて頂くことで、翌期の基本経営計画書は作成できます。

  • ①次期の目標利益
  • ②次期の医業収益の伸び率
  • ③次期の薬剤費・委託費比率
  • ④次期の給与の昇給率
  • ⑤次期の従事員数

 そしてこの作成された予算を医療機関専用の「医業会計データベース(MXⅡ)」に登録し、予算と実績を対比することで検証を行い、乖離があった場合にはその原因を明らかにし、そして対策を打ちます。

 医療制度改革や診療報酬のマイナス改訂など近年、病医院を取り巻く環境は以前に比べ非常に厳しいものになりました。一生懸命診療しているのに以前より収益が下がってきた、と将来に不安を感じておられる先生方も多いと思います。そんな逆風下でも業績を伸ばしている医療機関には必ず夢と経営計画があります。先生方の夢を実現するためのツールが「経営計画書」なのです。

大阪・兵庫・奈良・京都・滋賀を中心に税務、経営、会計、節税、経営計画、相続、事業承継、 病医院開業に関する問題解決をお手伝いさせて頂いています。お気軽にご相談ください!

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